第一章

 BISTROT LA CUCINA の歴史は 私と主人が 29年前に 

東急文化村のオーチャードホールへ 「モーストリー モーツアルト」を 

聞きに言った事に始まります . 

演奏会のあとの優雅で 心地よい気持ちのまま食事をしたかった私たちは 途方にくれました。

とりあえず、そのころ渋谷では話題のイタリアンレストランへ行ったのですが、心地よい気分は 雑踏の中に消えてしまいました。

そして これは 自分たちで造るしかないと思い立ったのです。

これが BISTROT LA CUCINA 誕生の 始まりです。

 

私と主人との新婚旅行先は イタリアでした。

おいしいもの大好きの私たちは   イタリアでたくさんのレストランを食べ歩きました。

高級レストランから、海辺の小さなパパとママだけでやっているような店、

そして、料理自慢の  プチホテルのレストランにも・・・

 

私たちのお気に入りは堅苦しい高級レストランの味ではなく  海辺の新鮮な魚料理をつかった  ママの味でした。

 

各地方の新鮮な材料を使ってこそが イタリア料理です。

新鮮な材料を使って おいしい料理をつくり、それを気楽に食べられる店。

そして、まるで、 イタリアにいる気分を味わえる店の内装と雰囲気。 

       
 店の内装は テラコッタ色の土壁を 洞窟のようにあしらい、テーブルには 手造りのテーブルクロス、

カウンターは ゆったりと食事の出来る奥行きのあるカウンター席にし、

手造りのランチョンマットで飾り付けました。

店の雰囲気は お客様が造ります。若者の街渋谷で 

20代後半~30代 そして 中年層の方でも ゆっくりと食事できる店。

決してにぎやか過ぎるのでもなく 静か過ぎず 人々のつくる心地よいざわめきのある店。 私たちの理想の店のコンセプトは決まりました。

 

 料理はコックの主人にまかせるとして、 料理にかかせないのが ワインです。

 

 幸運なことに 私たちはすばらしいワイン輸入業者とめぐり会えたことで、

街角の酒屋では決して買えることのないような限定輸入のイタリアワインを手に入れることが出来ました。

 

そして、いろいろな種類の おしいワインを召し上がっていただきたく 

日替わりで グラスワインを 数種類 サービスすることにしました。

 

さらに 一番重要なことは サービスです。

幸い 私は JALで5年間 スチュワ-デスをしていたので、接客には 少々 自信がありましたが、

堅苦しいサービスではなく フレンドリーなサービスを心がけました。

さらには イタリアに居る気分にさせるサービスを・・・

 
そして、ある事を 思い出したのです。

イタリアの料理自慢のプチホテルの夕食でのこと。

そこのおじいちゃんが 直接サービスをするのではなく,お客様とお話をしにだけ 出てきていた風景です。

ゆったりとした時と フレンドリーな雰囲気を造ってくれていたのです。何て ステキなんでしょう。

 

私たちは イタリアに住んでいた事もあり、昨年渡伊100周年をむかえた

おじいちゃん店長を10年前に迎えることができ、今ではイタリアの話を店で花咲かせてもらっています。(2003年当時)

 

外人のお客様も多くなり、 語学の出来る そして、日本人的HEARTのある 外人スタッフも加わりました。

 

今では オーチャードホール・NHKホール・PARCO劇場での

アフターシアターのお客様が気楽に多数見えていただけ、うれしいひと言が聞けます。

 

「劇場での優雅な気分を そのまま持ち続けて おいしい食事の出来る店ですね。」と・・・

 

 

第2章 

 

2006年 Bistrot La CUCINAはオープンして16年目を迎えました。

 

厨房の松坂シェフも ホールスタッフのコスルも 10年以上一緒に CUCINAの歴史を刻んで、今やファミリーのように 主人やマダムを助けて、店を 一緒にきりもりしてくれています。

 

マダムは オープン以来 イタリアワインを 質で選ぶ事、

温度管理して輸送し イタリアの味をそのまま日本でいただけるようにしている輸入業者としては日本 いや イタリア・世界的にも有名なヴィナリウスの代表 タラ・タン・北岡さんとともに、イタリアのワイナリーを廻り 勉強を重ね 2600種類以上もある

イタリアの地ブドウの楽しさを もっと日本で紹介したいと頑張っております。

 

ワインリストも あまり 耳にしたことの無いイタリア独特のブドウ品種をそろえたり、

それを日替わりで グラスで色々飲めるようにしたり、二ヶ月に一度ぐらいの割合で

めずらしいワインやもう日本では飲めないヴィンテージものなどを 

グラスで飲めるなどの企画を 次々と行っています。

 

料理の素材も 全国から新鮮な物を直送で送ってもらえるようになって 

メニューも 日替わりでご用意できるようになりました。

 

「おいしいものを 気どらず 楽しくいただく」そのテーマに向かって スタッフ一同

CUCINA FAMILYとして 意見を言い合って よりいいものへと 追求をやめず 日々走っております。

 

クッチーナでは、めずらしいワインをグラスでご用意しており、

いつもは、いらした方々それぞれで各自、楽しんでいかれるスタイルですが・・・

 

先日 AMARONEの1998年産と2001年産を飲み比べる会をする際に

イタリアの大家族の食卓をテーマにめずらしく大テーブルを

囲んでの会にしてみましたところ 大盛況でした。 

 

 参加なされた方々は  一品一品 ワインにあわせて ご用意したおいしいものを 

皆で わいわい言いながら食べれる事の喜びも感じていただき 

CUCINA FAMILYとして大いに楽しんでいただけました。

 

そして その日は マダムにとっての16年の中で 一番幸せを感じられた日でした。

 

なぜなら 今 この時だから 16年を 重ねてきたから、

お料理は安定したおいしい味を出せ、 選りすぐりのワインを手に入れられ 

其れを楽しませるスタッフに 恵まれ、其れをキャッチして下さるお客様に

いらしていただけていると感じられたからです。

 

 2010年 20周年を迎えるBISTROT LA CUCINA.

 

CUCINA  FAMILYは ますます増えつづけるでしょう。

なぜなら 常に 邁進しているから。

あなたも その一員になってみてください。楽しいですよ。 

 

 

 

 

2010年11月7日 BISTROT LA CUICNA の

 

20周年記念PARTY が開催されました。

 

第一部は まず マダムのお話からです。 

 

本日は お忙しい中をBistrot la CUCINA の20周年記念partyに

いらしていただきましてありがとうございまます。

 

長年当店を支えてくださった方々と一緒にこの日を迎えられますこと、本当にうれしく思っております。

 

感謝の気持ちを どう表そうかといろいろ考えておりましたが

いつかやってみたいと考えていたサロンオペラを皆様に見ていただいて

その後 皆様と わいわいと大テーブルを囲んでの宴ができましたら

どんなに楽しいだろうと思い 今日に至りました。

 

今回のサロンオペラができますことは 当店の歴史の中でも

ソプラノオペラ歌手の小濱妙美さんとの出会いがあったから実現できたことです。

 

ある方のご紹介で 当店にいらしていただいてから

クッチーナの店・そして スタッフ一同をとても気に入ってくださって

友人のように接していただき

クリスマスイヴに歌っていただいているのは 皆様ご存知のとうりですが

今回 私のとっぴょうしもない申し出を こころよく受けてくださりました.  

                    

こんな小さなレストランで サロンオペラ。いったいどうやるの?

普通は思われると思います。

 

私もいつかサロンオペラをやってみたいけれども 小さくて無理ですよね。と

以前 妙美さんにお話したことがありました。

 

でも 妙美さんは どんなところでもやり方はあるもの。

出来ないことは ないわよ。とおっしゃってくださいました。

 

世界中で 長年にわたって活躍なさっていらっしゃる妙美さんだから

本当のプロだから 出来ることだと思います。

 

そして 妙美さんをサポートしてくださるお姉ちゃまの良子さん。

この方もすごい方で ピアノだけで 

本来オーケストラが表すオペラの世界を全て表現できる方です。

 

今回 もう一人 助ッ人に テノールの池本和憲さんが 来て下さいました。

もちろんこの方も イタリア留学後 たくさんのオペラで活躍なさっていらっしゃる方です。

 

大きなところを借りて大party にすることも考えましたが

こんな小さなレストラン・クッチーナですが

私は ここで 石畳と土壁に囲まれたこの雰囲気でできるサロンオペラ

ずっとやってみたかったのです。

 

出来る限りたくさんの方に見ていただきたくちょっとせまくて申し訳ないのですが

歌手の方々が身近に感じられるサロンオペラ。

どうぞ楽しんでください。

 

さあ では始めましょうか・・・

 

今回は ちょっと欲張って「椿姫」と「蝶々夫人」 を上演しますが

両方とも 有名な歌曲ですけれども 最後は 悲劇です.

 

今回は 20周年のお祝いの席での上演ということで

小濱さんより 第1幕 第2幕までの 

意気揚々と希望に満ちたところまでにしましょうとのアドバイスがあり

両方とも 第2幕までの上演にしました。

 

 

 

 

 

 

 

  

20周年記念partyの第2部は イタリアの大ファミリーをイメージしての

  大テーブルを囲んでの cucinaファミリーのお食事会です。

 

 まず スタートは6リットルのマグナムボトルのスプマンテ

  (イタリアのVIP列席の席では必ずお目見えするOPEREの最高級シャンパンタイプ)

   開けるのにもひと苦労。注ぐのもひと苦労。とっても重いのです。

 

お客様にも手伝っていただきました。皆様 その重さにびっくり。

わいわいついで サー改めてカパーイ!!!宴の始まりです。

今回のMENUは 収穫祭のPARTYをイメージしましたので 少しずつのコース料理ではなく 

大皿料理を皆様で廻していただいてのお料理ばかりです。

  

魚介のカルパッチョ・いろいろな野菜をボイルしてアンチョビオイルをかけたものや

 色々な形の手作りパスタには きのこもたっぷり.

 魚介のリゾットにたっぷりチーズをかけて焼き上げたドリア風リゾット。

 20周年のロゴを入れて焼き上げたミートパイ。

 

子羊もも肉の丸焼きなどなど・・・わいわいいいながら廻して食べて 飲んで・・・

赤ワインは AMARONE をご用意したので 皆様 大喜び。 

途中 クッチーナの歴史のお話もしましたが お客さまより マダムへの質問コーナーを設けてほしいとのこと・・・

質問もたくさんありましたが 答えも歴史の中のこと 

お話すれば長いことで 一つ目を答えただけで 終わってしまうほどでした。

 

マダムの主人(マスター)も いつもはあまりは話さないのですが 

今回は涙ながらに語ったこともあり 後日 お客様より マスターの話良かったなーとのお褒めのお言葉も頂いたほどでした。

 

 

楽しい会は いつまでもいらしてほしかったほどですが 

最後にスタッフ紹介がてら マダムからのお礼の言葉をさしあげてのお開きとなりましたが 

皆様 とっても楽しんでいただき いつもより飲みすぎて帰りはフラフラの方が多かったですね。

 

皆様 会話がはずむかしら と心配していたのですが 

何と何と 私たちが会話に入る間もないぐらい盛り上がり 最高のPARTYになりました!!!

第3章 移転をして新しい世界へ 

 

2013年3月7日 22年間営業していたビルの建て替え のため

新店舗に引っ越しをしての再オープン。             

 

2012年の暮れまでには

今まで 当店を愛し続けてくださった方々が

旧店舗をおしみ たくさんの方々がいらしてくださり 本当に長い歴史を感じました。

 

おかげさまで 旧店舗のすぐ斜め向かいの地下に

新店舗を造り上げることが出来 幸いでした。

 

新店舗オープンまで2ヶ月ほどお休みをいただきましたが 

再オープンの日には 待ち焦がれていたように

たくさんの方々がお見えになって いただき お祝いの花で 店は埋め尽くされ

 

本当に 皆様への「感謝」のひと言ではあらわしきれないほどの気持ちでいっぱいでした。

新店舗は 以前よりいらしてくださっている方々の

以前の雰囲気を壊さないで 残してほしい とのリクエストが多かったので

 

可能な限り 以前にあった品々を持ってきて

さらにそれぞれを生かして 落ち着いた店に仕上げました。 

 

再オープンして MENUはさらに充実しましたねと お褒めのお言葉もいただきました

個室や半個室もたくさんの方々に利用していただき

ますます 楽しい店になりました。

イタリア独特の地ぶどう品種のワインも充実し

グラスで たくさんの種類を召し上がっていただけますし

 

旬の食材はもちろんのこと 珍しい野菜をとりいれたMENUも

ますます 面白いです。

 

以前よりいらして下さっている方々が口をそろえておっしゃるのは

 

「以前の店も素敵だったけれど 今回の店は 全てにおいて さらにグレードアップして素敵になりましたね]

とおっしゃってくださいます。 

これからも ますます 楽しい店にできるよう努力していきたいと思います。